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メンデルスゾーン

 チェロ・ピアノ作品集

A . C .

メンデルスゾーンの作品

4 5

5 8

2

曲のチェロソナタはベ

ートーヴェンのソナタのように誇らかな様相をみせていますが、ずっ

と早い時期に書かれた『協奏的変奏曲』作品17(

1829

)もそうです

ね。

D.S.

 メンデルスゾーンは変奏曲の大家でした。この作品

17

も、曲の構成とふた

つの楽器の関係において完璧にバランスがとれた、彼に特有のとても独創的な選

択が見て取れる素晴らしい作品です。にもかかわらず、残念なことにあまり演奏さ

れません。メンデルスゾーンの音楽はたしかに、根本的に陽気で、どちらかというと

ポジティブな音楽です。ただ人は、ロマン派の音楽に、悲劇的なものや、不幸な愛

といったものしか求めないという傾向があるのです。

G.H.

 メンデルスゾーンの音楽は「理性的な」音楽です。私が彼を好きなところは

ここなのです。過度にすぎるものや、派手なものにしか興味を示さない人は多くい

ます。しかしそれはメンデルスゾーンの性質ではないのです。彼の作品では、すべ

てが適切で、的外れなものは何もなく、欠けているものも余分なものもありません。

私は『協奏的変奏曲』をベートーヴェンの変奏曲と同等に置きます。もしかしたら、

少しばかり上かもしれません。

この

CD

のプログラムを補っている、ピアノとチェロのための唯一の『無言歌』作品

109

と『アルバム・リーフ』は二曲とも、感動的であると同時に純粋で、控えめで、豊

かな音楽です。私はこの『アルバム・リーフ』を、

2009

年、メンデルスゾーン生誕

200

年の際にヘンレ社から出版された、チェロとピアノのための作品集で知りました。

録音のために使用した楽譜も、このヘンレ版です。