Background Image
Previous Page  43 / 56 Next Page
Information
Show Menu
Previous Page 43 / 56 Next Page
Page Background

ゲーリー・ホフマン

 ダヴィッド・セリグ

43

アラン・コシャール どのようないきさつで、お二人は一緒に演奏す

るようになったのでしょうか。

ダヴィッド・セリグ

1986

年春、ピアニストのクリスティアン・イヴァルディ氏か

ら電話をもらい、ロストロポーヴィッチ・コンクールを受けるある有能な若いチェリスト

が、伴奏ピアニストをさがしていると言われました。チェリストの名前は知らされ

ませんでしたが、私はその申し出を受け入れました。その後、ゲーリー本人がアメリ

カから電話をくれ、そしてコンクール出場のために彼はパリにやって来ました。最初

に彼と弾いた時の印象は、いまだに強く残っています。まずブラームスの第一ソナ

タを合わせましたが、すべてがとても柔軟に、自然に進みました。コンクールは、皆

が知っているようにゲーリーにとってよい結果となりました(

1

)。その後すぐに、パリ

や別の場所で一緒に演奏する機会を得ました。

ゲーリー・ホフマン

 私たち音楽家は誰とでも演奏できるものですが、ダヴィッ

ドとは、最初の音を出したときから違うというのを感じました。その時からとても親し

い友人としてつきあっています。リハーサルでは、あらかじめここをこう弾こうというこ

とを決めるのではなく、音楽から出発して、自然に、直感的な形でお互いの演奏の

仕方が決まるのです。ダヴィッドと弾いている時には、あれこれと考えたりしません。

単に音楽を演奏するだけなのです。これ以上のことが望めるでしょうか

?