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46 ベルク | ブラームス | プーランク | シューマン ブラームスの2作のクラリネット・ソナタは、彼の音楽的な遺言とみなされています。とはい え第2番は時おり、異例なまでに暴力的なパッセージを聞かせます…… ミシェル・ダルベルト & ミシェル・ポルタル : まったくその通りです! ミシェル・ポルタル : 私は、かつてジョルジュ・プリュデルマシェとミハイル・ルディとも、第2番 を録音しています。この曲では、クラリネットから音楽が自然に湧き出でてこなければなりませ ん。つまり奏者は、クラリネットに絶えず息を吹き入れる必要があります。それこそが、私たち が直面する大きな課題です。極めて声楽的な表現が求められているといえます。 ミシェル・ダルベルト : ミシェルの演奏が他に類をみない理由の一つとして、それが、長年に わたるジャズの実践——とりわけ、リズム面での並外れた熟達——に立脚している点が挙げ られます。いうまでもなく私自身は、即興の才もジャズ演奏の能力も、いっさい持ち合わせて いません。じっさい、ミシェルの演奏がそなえている柔軟性の高さは、私の知るかぎり、他の音 楽家たちの演奏にはみられない特徴です。それは、フレーズの抑揚にも、音色をめぐる想像力 にも指摘できます。彼と共演するピアニストは、クラリネットの息づかいにぴたりと寄り添うべ く、この上ない集中力が必要とされます。

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