38 バッハ | ゴルトベルク変奏曲 BWV988 レコーディングで辿り着いた演奏解釈は、事前にコンサートで披露したそれとは大きく異 なるのでしょうか? 確かに異なります。ことに《ゴルトベルク》の場合、その探究に決して終わりはありません。生 涯を通じて問い続けても、最終的な答えに至ることはできない、そんな作品です。 レコーディング中に、演奏解釈はどのように確立されていきましたか? 当初は直感に頼っていたフレージング、テンポの選択、ペダリングを、スタジオでのセッショ ンを重ねながら練り上げていきました。自分の息遣いに意識を向け、《ゴルトベルク》を支え る舞踊の精神に身をゆだねました。そして音楽の流れが明瞭になるよう、各声部に注意深く 耳を傾けて声部間のバランスをとりました。そのような取り組みの全てが、客観的で誠実な 解釈を目指す私を導いてくれました。
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