ジョフロワ・クトー 37 今回、何を準備なさり、どのような心構えでスタジオ入りしたのでしょうか? 《ゴルトベルク》を先にコンサートで弾いていたおかげで、レコーディングで掘り下げたい領 域や芸術的な展望は明確になっていました。録音を成功に導くためには、会場、楽器、協力 者を揃えなければなりません。幸運なことに、会場はポワティエのオーディトリウムに決まり ました。ピアノにとって最高峰の音響を誇るホールです。さらに、使用楽器としてヤマハの素 晴らしいピアノを選びました。調律を担当してくださったフランソワ=グザヴィエ・スラール氏 は卓越した技術者で、私が20年ほど仕事を共にしてきた信頼のおける方です。アルバム録 音には、芸術監督やサウンド・エンジニアとの緊密なコラボレーションも不可欠です。それ は、いわばアルバム全体を貫く色調や色彩として現れてきますから、彼らと揺るぎない信頼 関係を築くことが極めて重要です。フレデリック・ブリアン氏とドミニク・デグルモン氏とは、 以前にブラームスの協奏曲の録音で仕事を共にしたことがありました。私たちは皆で力を 合わせ、できる限り最良の録音環境を創り出そうと努めました。そのような団結にもとづく 冒険は、私が音楽的なアイデアを具現するために理想的な条件を整えていく上で、実に大き な助けとなりました。
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