56 カタルーニャ リビア… 遥かなる現前 ウィレム・ラチュウミア 開拓するピアニスト ウィレム・ラチュウミアは、大地に根ざした音楽と現代の音楽をこよなく愛している。彼が 誇る特異なレパートリーは、数々の旅を通じて、そしてまた現代屈指の偉大な演奏家たち や創作者たちとの出会いを通じて育まれてきた。 2006年のオルレアン国際現代ピアノ音楽コンクールでの優勝は、すでに30代前半だっ た彼が世界的な脚光を浴びる端緒となった。彼が最初に世間の注目を集めたのは、その2 年前、モンサルバーチェ国際現代音楽コンクール(スペイン・ジローナ)で優勝した時であ る。リヨン国立高等音楽院のエリック・ハイドシェックのクラスで研鑽を積み始めた時から、 ラチュウミアは同時代の作曲家たちに並々ならぬ関心を示し、とりわけファブリス・ピエー ルが主宰する「20世紀のアトリエ(ワークショップ)」に加わった。リヨン国立高等音楽院で は、ジェリー・ムティエにも師事した。「青少年文化会館(MJC)」で学び始めるという異色 の経歴をもつラチュウミアは、プロの道に進むと決心するまで長いあいだ逡巡し、音楽院の 門を叩いたのは20歳になってからだった。それゆえに彼は、既成の枠にとらわれず、独自の 道を切り拓いてきた。その歩みは、ピエール・ブーレーズ、ペーテル・エトヴェシュ、ピエール・ ジョドロフスキ、ジョナサン・ハーヴェイ、ジェルジ・クルターグといった作曲家たちとの出会 いと、彼らの作品を世界各地で演奏する機会をラチュウミアにもたらすことになった。 現代曲の演奏に加えて、ラチュウミアにとって主なインスピレーションの源の一つとなって いるのが民俗音楽である。かねてからバルトークのアプローチに魅了されていたラチュウミ アは、農村や中世の伝説に材を取る楽曲の探求へと背中を押された。
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