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44 ヴィルトゥオージ 本盤にはユーモアも見受けられます。ドイツの現代作曲家クリストフ·モシュベルガーの《 パッヘルベルのための涙》のように…… トマ·ルルー:モシュベルガーはトランペット奏者です。私は彼の音楽を、ロマンを通じて知り ました。彼の作品は、多くの音楽——ポップスでさえも——の要素がクラシック音楽に由来 することを具体的に示しています。私たちは、バロック音楽の主な特徴の一つが即興性であ ることを決して忘れてはなりません。その意味でパッヘルベルは、今日もなお現代性を失っ ていません! 本盤のもう一つの“耳新しい”コンテンツは、貴方が作曲した《ボーリュー》[仏語で“美しい 場所”の意]です。貴方の音楽の視覚的な——こう言って良ければ“網膜に訴える”——特 性は、曲名の由来への興味を掻き立てます…… トマ·ルルー:ある海辺の場所にちなんでいますが、それがどこなのかは秘密です! この曲 には瞑想的な面があります。それは、私が飽くことなく抱く、自然の美に対する深い驚嘆と感 動に通じています。アレンジをお願いしたロラン·エルバスには、テューバがもっぱらバスを演 奏することは避け、二つの楽器が絶えず対話を繰り広げるようリクエストしました。

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