43 ロマン・ルルー | トマ・ルルー プログラムの終盤には、ジャズとスイングとブルースの様式による3作品が並んでおり、い ずれの曲にも独特な世界が広がっています。デンマークのジャズ·トランペット奏者アラン· ボチンスキーの《間奏曲第4番》では、まるで打楽器が鳴っているように聞こえ、コントラバ ス(ウッドベース)が刻む拍がテューバの音色を介して伝わってきます。 トマ·ルルー:テューバがウォーキング·ベースを演奏しています1。つまり、拍を刻むために必 ずしもドラムスが必要なわけではないのです。《間奏曲第4番》には強い思い入れがありま す。というのも、私たちが子どもの頃に両親の車の中でよく聞いていた、沢山の思い出が詰ま った曲なのです。しかも私にとって、初めて聞いたジャズの曲の一つです。ちなみに、私たちが これらのジャズ曲を演奏するのは、それらが単に魅力的であるだけでなく、物語をつむいで いるからです。《間奏曲第4番》では二人とも長いソロがあります。コンサートで演奏するさい には好んでテンポを変えています。 1 1ビートに1音を乗せて奏でるベース·ラインのこと。短い旋律が反復される。
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