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45 ロマン・ルルー | トマ・ルルー 本盤を閉じるのは、有名なアイルランド民謡の一つ、《ダウン·バイ·ザ·サリー·ガーデンズ( 柳の庭のほとりで)》です。アイルランドの詩人·劇作家ウィリアム·バトラー·イェイツの詩に 付けられた旋律からは、これまで沢山の編曲が生まれてきました。今回は、この民謡の起 源であるケルト文化を彷彿させるサウンドや音色を追求なさったのでしょうか? ロマン·ルルー:この民謡は、どんな楽器で演奏されてもつねに骨の髄まで“アイルランド的” です。私たちは、この曲のためにゲスト奏者を迎えて編成を変えるつもりはありませんでし た。この曲で私が吹いているのはフリューゲルホルン2で、旋律は二人のあいだを淀みなく流 れます。ふだん私たちはケルト音楽を専門にしてはいませんが、大好きな民謡へのオマージ ュであるこの録音は、原曲の精神に背いてはいないと思います。 トマ·ルルー:私たちはシンプルに旋律に身を任せています。何かを足さなくとも、ありのまま で十分に素晴らしい旋律です。演奏中の私たちは、何も考えません。演奏にのぞむとき、すで に考えることを終えているのです。 2 トランペットに似た金管楽器で、主にジャズで用いられる。優しく柔らかなサウンドを特徴とする。

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