41 ロマン・ルルー | トマ・ルルー ピアソラへのオマージュ作品ですね…… トマ·ルルー:ロマンと私は、楽譜を受け取った時、かなりの難曲であるということに加えて、 何より私たち二人の楽器に完璧に合っていると、即座に気づきました。 ロマン·ルルー:こう言って良ければ……《ピアソラへのオマージュ》は私たち二人のデュオを 念頭に書かれた作品です。ふだん私はエスケシュの作品を頻繁に吹いています。彼は私たち 二人のそれぞれのサウンドをよく知っており、まるで映画の台本作家のように、この曲を私た ちのために“当て書き”してくれたのです。エスケシュは当初から、私たちが提示した新曲の案 と、その先に広がるクリエイティヴな展望に強い熱意を寄せてくれました。彼自身が、複雑を 極めた作曲様式と、大衆的な音楽——彼はこの種の音楽にも愛着を抱いています——を、 どちらも自在に駆使し、多様な音楽言語を手中に収めていることが、今回の委嘱への彼の 関心をさらに高めました。彼が私たちのために曲を書いてくれたことに深く感謝しています! トマ·ルルー:彼からみれば、委嘱の趣旨は、トランペットとテューバの技術的な限界を押し 広げることではなく、二つの楽器をありのままに自然に鳴らすことだったのです。《ピアソラへ のオマージュ》の聞き手は、まるで物語やサスペンスのように様々な色合いを帯びたムード を、次々と耳にすることになります。
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