Background Image
Previous Page  40 / 72 Next Page
Information
Show Menu
Previous Page 40 / 72 Next Page
Page Background

40

モーツァルト

「かねてからイ長調・変ロ長調・ニ長調のソナタを最初に録音したいと考えて

いました。この3作には常に愛着を感じてきましたし、3作とも私が最も頻繁に

演奏してきたソナタです。イ長調を弾き始めたのは幼い頃です。初めて演奏し

たソナタの一つですので、自分がこの作品と共に成長した様な気持ちです。も

う85年近くこのソナタを演奏していますので、曲全体が頭の中に常に入って

いる感覚です。変ロ長調・ニ長調のソナタを弾き始めたのは、のちの青年時代

です。」

今回のディスクの選曲は必然的であり、イ長調の第

11

番

K.331

は自然な成り行きでこれに含

まれたということだ。ところでこの

K.331

は、長い間、

1778

年春にパリで作曲されたとみなされ

てきた。現在は、のちの

1783

年、モーツァルトがザルツブルクで夏を過ごした折に書かれた

と考えられている。変ロ長調(第

17

番

K.570

)、ニ長調(第

18

番

K.576

)の

2

作は、モーツァル

トが完成させた最後のピアノ・ソナタで、それぞれ

1789

年

2

月・

7

月に書き上げられている。い

ずれも、

4

月

8

日から

6

月

4

日にかけて行われたプラハ・ドレスデン・ライプツィヒ・ベルリンへ

の旅の前後に、ウィーンで作曲された。