40 バッハ | ゴルトベルク変奏曲 BWV988 《ゴルトベルク》は、適切な感情的バランスをとることが難しい作品でしょうか? 確かに、それは難題の一つです! とはいえ、拍動は音楽の雄弁さを制御する助けとなりま すし、ポリフォニック(多声的)な進展も各声部の重要度を明らかにしてくれます。時おり、音 楽が私自身の意志とは無関係に、ひとりでに語っているように感じられることもありました が、そのさいには楽器に導かれるがまま、ひたすら音楽に身をゆだねました。それは強烈な、 しかし儚(はかな)い体験でした! そのような言語に絶する瞬間に、私たちは——たとえ 疑念が完全に払拭されなくとも——ある種の必然性を感じ取ることになります。《ゴルトベ ルク》は、その複雑を極めた和声ゆえに、極めて特殊で先駆的な作品です! ここでバッハ は、他者からの作曲依頼に応えているというよりは、むしろ自己と対峙し、和声、対位法、そし て演奏技術の面で先例のない探究の場を自らに差し出しているように感じられます。そうし て彼は、この作品への「突破口」を自由に開く余地を演奏者に残すことになったのです。それ ゆえに《ゴルトベルク》には、あまたの実に多様で印象深い編曲版が存在するのではないで しょうか。
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