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今回の録音では、一部、ずっと以前に録音された曲を再び取り上げられていますね。
1957
年にあなたが最初にスタジオ録音されたショパンの曲は、作品
34
の
3
つのワルツでした。
ショパンのワルツは全曲弾いてこられたわけですが、なぜ今回、作品
34-2
のイ短調を選
ばれたのですか。
A.C. :
この曲はとてもメランコリックな曲ですね。なぜ選んだかというと、人生で最初に弾い
たワルツがこの曲だったからです。まだ子供だったころ、一番最初のピアノの先生だったマ
リア・ヴィーリアローロ・ドヴィーディオ女史――素晴らしい教師でした――からこの曲をもら
って勉強しました。今でも強く心に残っている思い出です。それに、
8
歳のとき、ナポリのプ
レス連合会のために開いたリサイタルでこの曲を弾いたのです。とても美しいホールでした
が、難しいプログラムを弾きました。
アルド・チッコリーニ