57 ヴァネッサ・ワーグナー ヴァネッサ·ワーグナー フランスの日刊紙『ル·モンド』から“同世代中、最も魅力的な個性を誇るピアニスト”と称え られたヴァネッサ·ワーグナーは、ひたむきに自分らしさを貫きながら、独創的なキャリア を築いてきた。その活動は、クラシック·レパートリーによるリサイタルはもとより、現代作 品の初演、古楽器による演奏、室内楽など、実に多岐にわたる。 近年は、諸分野を横断する多くのプロジェクトにかかわり、電子音楽、ダンス、映像、詩との コラボレーションを展開している。 1999年、ヴィクトワール·ド·ラ·ミュジーク(フランス)の“年間最優秀新人器楽奏者賞”に輝 く。以来、リサイタル奏者および協奏曲のソリストとして、世界各地の主要な国際音楽祭やコ ンサート·ホールから招かれ、定期的に演奏を重ねている。 同時代の音楽の紹介に力を注ぐヴァネッサは、パスカル·デュサパン、フランソワ·メイムン、エ イミー·クランクショー、アレックス·ナンテをはじめとする現代作曲家たちから幾つも新作を 献呈されてきた。 これまでヴァネッサがリリースした広範な録音作品は、音楽専門誌から多くの賞を授けられ ており、そのシンプルながら雄弁な演奏、鋭く豊かな感性、表情に富んだタッチが称賛の的 となっている。 ヴァネッサは、あまりにしばしば分断されてきた複数の音世界を根気よく結びつけてみせる。 その慧眼は、彼女の絶えず更新されていく幅広いレパートリーに反映されている。 2010年から芸術監督を任されているシャンボール音楽祭では、ジャンルの枠を超えた多彩 なプログラムを提供している。2020年、フランス共和国芸術文化勲章“シュヴァリエ”を受 章。
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