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29 ヴァネッサ·ワーグナー | ウィレム·ラチュウミア お二人がデュオ・アルバム第1弾『This is America(! これがアメリカだ!)』を録音したの が4年前ですね。以来デュオとして、どのような変遷を経たのでしょうか? ヴァネッサ・ワーグナー:ヴァネッサ・ワーグナー:二人で一緒に演奏するようになって約10 年が経ちました。私たちの演奏の相性は、ますます良くなっています。ヴァレーズの《アメリ カ》で初めて共演しましたが、その後[フランスの現代作曲家]ティエリー・エスケシュの《2台 ピアノのための協奏曲》で共演し、デュオを結成すべきだと確信しました。二人ともスティー ヴ・ライヒの[2台ピアノのための]《ピアノ・フェイズ》に心酔していたことから、アメリカ音楽 を集めたアルバム第1弾が生まれました。この『This is America!』が得た好評が、私たちの 意欲をさらに掻き立てました。私たちは、このアメリカ・プログラムを定期的にコンサートで 演奏してもいます。私たちはレコーディングと公演を通して、二人の演奏と息づかいが自然に シンクロするほどにまで互いを知り尽くすことができました。二人で共に舞台に立てること に大きな喜びを感じています——そのうえ私たちの演奏は、視覚的にも補足し合っているよ うに思います。躍動感のある所作が魅力のウィレムに比べて、私は所作が細かいので……。 ウィレム・ラチュウミア:二人の音楽的な親和性は、時に驚くほど高く、ヴァネッサとは何の 苦労もなく自ずと波長が合います。今までもずっとそうでしたが、昨今、二人の相性の良さに 一段と喜びを感じています。

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