LDV97

ルーマニアに生まれた作曲家ジョルジェ·エネスクの感性 は、母国のさまざまな伝統音楽によって育まれた。いっぽう で彼の音楽は、20世紀初頭のフランス音楽の世界にも深く 根ざしている。本盤は、このエネスクの二つの“源流”に迫る 一枚だ。カリスマ性をほこる稀有な音楽家エネスクは、ヨー ロッパの遠く隔たった二つの地、ルーマニアとフランスの架 け橋となった。本盤へのイントロダクションとして、ダヴィド· グリマルに話を聞いた。 ダヴィド·グリマル の探求と演奏が、私たちをイザイの音世 界 へといざなう...... 20世紀の楽壇を牽引したジョルジェ·エネスクは、今日もなお、一般の人びとにはあまり知 られていないように思います。あなた自身は、いつ、どのように、エネスクの音楽と出会った のでしょうか? 30年以上前です。エネスクが自作の《ヴァイオリン·ソナタ第3番「ルーマニアの民俗様式 で」》をディヌ·リパッティと共演した録音を聞いて感銘を受けました。エネスクの人となり、 そして音楽家としての彼に魅了されました。長年のあいだ、彼の音楽はつねに私のかたわら にあります。 22 ショーソン / ラヴェル / エネスク

RkJQdWJsaXNoZXIy OTAwOTQx