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31 シューベルトのピアノ音楽がフランスで受容されるまでに は長い時間を要しました。この国では長らくその真価が理 解されず、少なくとも過小評価されていたと言えます…… 確かに、私がパリ国立音楽院で学んでいた時代には、シュー ベルトの作品はほとんど演奏されていませんでしたし、よく 知られていませんでした。彼は何よりもリートの作曲家とみ なされていました。戦前の1930年代には、彼の歌曲がフラ ンス語で歌われていても、たいていの人は驚きませんでした。 所詮、その程度のあつかいだったのです。 ジャン=マルク·ルイサダ
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