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エルメス四重奏団 31 レコーディング中には、どのような点で苦労されましたか？ 私たちにとっては、2曲の強烈な性格と向き合うこと自体がチャレンジングでした。また、幾 つものブロックを寄せ集めたような印象を聞き手に与えないよう、音楽を結びつけ、関連づ け、繋いでいく作業にも骨を折りました。そのためには、頭の中で常に全体的な構造を描い ていなければなりません。スタジオ·レコーディングは、完璧な演奏にこだわるあまり感情的 な側面を犠牲にしてしまうリスクもともないます。 それゆえに私たちは、長めのテイクを優先するようにし、コンサートでの生 の演奏がもつ勢いや、“流れに任せる”感覚を再現しようと努めました。音 楽の絶え間ない流れ、終始明快な語り口、そして――この語の最良の意味 での――簡明さと奥行きの並存……それこそが、傑作を奏でる私たちが 切に求めるものです。