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41 テオ・フシュヌレ テオ・フシュヌレ 2018年11月にジュネーヴ国際コンクールで第1位に輝いた若きフランスのピアニスト、テオ・ フシュヌレは、その後に仏“ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジーク・クラシック”の新人賞(器楽奏者 部門)にノミネートされた。その繊細で詩的なタッチと、すでに円熟味を帯びた演奏によっ て、他の同世代の演奏家たちの中でも抜きん出た存在として定評を得ている。 生地ニースの音楽院でクリスティーヌ・ガストーに師事したフシュヌレは、同地の優れた教 師たちのもとでさらなる研鑽を続け、万能な音楽家としての下地を築いた。のちにはパリ国 立高等音楽院のアラン・プラネス、オルテンス・カルティエ=ブレッソン、ジャン=フレデリッ ク・ヌーブルジェのもとで学び、傑出した成績を収めている。2013年には、ガブリエル·フォ ーレ国際コンクールでの第1位獲得を機に、自身にとってとりわけ思い入れのある作曲家 の作品を探求するようになった。 2018年は、フシュヌレのキャリアにとって岐路となる年だった。じっさい彼は、同年にジュネ ーヴ国際コンクールの覇者となる数か月前にも、トリオ·メシアンとともにリヨン国際室内楽コ ンクールに出場し、第1位および5つの特別賞を贈られている。 ラジオおよびテレビ番組に頻繁に出演しているフシュヌレにとって、言うまでもなく、何より の演奏活動の場は舞台である。一流コンサートホールや国際音楽祭でたびたび拍手喝采 を浴びている彼は、ヴィクトル・ジュリアン=ラファリエール、フランソワ・サルク、リーズ・ベル トラン、スヴェトリン・ルセフ、ロラン・ピドゥらと共演を重ねている。

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