LDV600-6

威厳に満ちた作品130の第1楽章では、イザイ四重奏団のメンバーたちを駆り立 てる同一の信念が、道中、小さな奇跡を生む。まるでジャワ島のガムラン音楽のよ うに、4人によるテンポの減速と加速が完全な一体感のもとに実現されるのだ。見 えない糸の周りで緊張と弛緩がなされる——この糸、すなわち律動は、全てを有 機的に組織し、真の自由を導いて確立する。この自由は、多少なりとも主観的で個 人的な感情ではなく、内なる必然性と、音楽それ自体が突きつける抗いがたい勢 いに服従する謙虚さを礎に築かれている——私たちの嗜好や、見方や、大小の不 幸ではなく、音楽それ自体が。このように、時代遅れな感傷を拒絶することによっ て、イザイ四重奏団は、かえって私たちを真に感動させ、作品の豊かさを私たちと 分かち合うことができる。こうして、前時代的な陳腐さの岩壁からもぎ取った真の 斬新さが浮かび上がるのだ。 彼らは、大袈裟に演奏されるべきではないものを大袈裟に演奏することはしない。 その代わりに彼らは、反復的な要素に意味を付与する——たとえば、種々のアクセ ントの重みにヒエラルキーを設定することによって。それによって、長いフレーズを 一瞥することが可能になり、反復を、余計な言い直しではなく形式を築き上げる壮 大な弧の一部とみなすことが可能になる。 71 イザイ弦楽四重奏団

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