4人の音楽家たちはテンポを維持しながら、ベートーヴェンを、まさしく彼がいるべ き場所——時間を超越した空間——に置く。 このアプローチこそが、全曲の一貫性を確かなものにし、ベートーヴェンが弦楽四 重奏曲を書き進めた三つの創作期の全景を見わたすことを可能にする。 最初の六つの弦楽四重奏曲(作品18)は、1798年から1800年にかけて生まれ た。この頃ベートーヴェンは、庇護者の一人であるリヒノフスキー侯爵の家に下宿 していた。6曲は出版時の番号とは異なり、第3番・1番・2番・5番・6番・4番の順に 作曲された。 6年後の1806年から1810年にかけて、ベートーヴェンは中期の弦楽四重奏曲を 手がけた:ラズモフスキー伯爵に献呈された作品59(第7番・8番・9番)、そして作 品74(第10番)と作品95(第11番)の計5曲だ。この「古典的な」創作期を特徴づ けているのは、「英雄的な」曲調、ある種の誇り高い雰囲気の中で誇示される力強 さである。 64 ベートーヴェン | 弦楽四重奏曲(全曲)
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