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ミニマル・ミュージックとの関係についても伺えますか? ミニマル・ミュージックは、私のレパートリーの中で徐々に重要な 位置を占めるようになってきました。実は、ピアニストとしてデビュー した当初には、このジャンルとは疎遠でした。なぜなら当時、ミニマ ル・ミュージックが、クラシックの演奏家たちに真面目なジャンルと して受け入れられることは稀だったからです。技術的には演奏は 容易ですし、クラシック音楽の訓練を受けていなくともそれなりに 弾けてしまう作品ですから……。ミニマル・ミュージックは、いわゆ る“芸術”音楽とは切り離されてきました。しかしこうした区分は、私 の目にはナンセンスに映ります。リストの音楽にも、スクリャービン やヤナーチェクの作品にも、ミニマル・ミュージックの萌芽が認め られるからです。要するに、2つのジャンルを完全に分断することな どできないのです。幸運なことに、2つを分け隔てようとする傾向は 少しずつ改善されつつあります。今日、いまだにクラシック界には、 ミニマル・ミュージックを下位に見る態度が残っています。それで も、2つのジャンルの境界はよりいっそう曖昧になっていますし、両 ジャンルの芸術家たちの対話も盛んになりつつあります。ミニマル・ ミュージックは、とりわけ若い聴衆のあいだで存在感を発揮してお り、ペルトとフィリップ・グラスの作品は、その好例です。一定数の聴 衆たちが彼らを熱狂的に崇拝しています!

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