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30 リスト // ペルト 貴方は普段、リストの作品を滅多に弾きません…… 仰る通り、長年にわたりリストを避けてきました。私の思い出の中では長いあいだ、リストは 音楽院での勉学と結びついた作曲家だったからです。つまり彼の作品は私にとって、純粋 にピアニスティックな何かを想起させる音楽でした。輝かしい超絶技巧を前面に押し出す 彼の様式が、哀愁を好む私の気質とは相いれないように感じられたのです。あるインタビ ューで、今後もリストは決して弾かない、と宣言したことさえあります!ところが作曲家のパ スカル・デュサパンからは、幾度も“リストに向いている”と言われていました。ある時、デュ サパンのピアノ音楽を取り上げるコンサートが企画され、彼自身の作品とリストの後期作品 を織り交ぜて演奏してほしい、と彼から依頼されました。それはリストが最晩年に作曲した、 暗く濃密で純化された音楽でした。この経験を機に私は、言うなればリストと“和解”したの です!リストの作品は時に、この上なくヴィルトゥオジックに、そして輝かしく勝ち誇ったよう に奏でられます。確かにそれは、彼の作風の一端や、彼の一部の作品の演奏を外面的に 表す特徴です。実際、そのような烈火のごとき性質が、長年のあいだ私をリストから遠ざけ ていました。しかし私は、リストの特定の作品——とりわけピアノと合唱のための《十字架への 道》——と深く向き合いながら、より内省的で謎めいた、“ミニマリスト”とさえ形容できるリスト 像に接することになりました。

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