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40 ラフマニノフ // ムソルグスキー モデスト・ムソルグスキーと 《展覧会の絵》 ムソルグスキーは、 1839 年にロシア帝国に生まれた。若かりし頃の彼は、友人たち(バラキ レフ、ボロディン、キュイ、リムスキー=コルサコフ)と共に“ロシア五人組”を結成し、民俗音 楽に根を張るロシア国民楽派の発展に奮起した。しかし自作への無理解と窮乏生活に苦 しんだムソルグスキーは、徐々にアルコールにのめり込んでいく。代表作の一つ《禿山の 一夜》は、彼が 1867 年にリムスキー=コルサコフから鼓舞されて作曲した交響詩である。そ の2年後に完成したオペラ《ボリス・ゴドゥノフ》の初稿は、批評家の不評を買った。ムソルグ スキーは 1872 年に、このオペラを聴衆の期待に沿うよう改訂。この新たな稿によって、ようや く成功を収めるに至った。アルコールへの依存と物質的な困窮から抜け出せなかった彼 は、 1881 年、尊敬してやまないドストエフスキーの死から 2 か月後に、貧窮の中で逝去した。 彼が残した未完のオペラのうち、《ホヴァンシチナ》はリムスキー=コルサコフによって補筆 され、後にショスタコーヴィチ版やストラヴィンスキー版も生まれている。

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