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ホアキン・アチューカロ 39 ホアキン・アチューカロ ビルバオにて弱冠 13 歳でモーツァルトのピアノ協奏曲 K.466 を弾き、演奏会デビューを 果たす。やがて 1959 年 5 月にリヴァプール国際コンクールで第1位に輝くまでに、ホアキ ン・アチューカロはいくつもの決定的な出会いに恵まれた。 マドリードでホセ・クビレスに師事。その後、シエナ・キジアーナ音楽院のグイド・アゴステ ィの指導を受け、ヴァルター・ギーゼキング、ニキタ・マガロフ、ブルーノ・ザイドルホーフ ァーらのもとでも研鑽を積んだ。そしてリヴァプール国際コンクールでの優勝を機に、世 界の檜舞台に立ったアチューカロは、早くも 1960 年に、トリエステでシューマンのピアノ 協奏曲の独奏を務め(指揮はデビュー直後のクラウディオ・アバド)、ドイツで初リサイタ ルを行っている。以後、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニ ー管弦楽団、シカゴ交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団など世界中のオーケスト ラと、ロマン派から 20 世紀前半までの協奏曲レパートリーを中心に、共演を重ねている。 ズービン・メータは「この音を出せるのは、彼以外にはルービンシュタインしかいない」と アチューカロを称え、サイモン・ラトルからは「彼のような音をピアノから引き出すことがで きるのは一握りの音楽家だけである」と絶賛された。アチューカロ自身は、「生涯にわたっ て、歌を暗示し想起させるようなピアノの音を探求してきた」と述べている。 ピアノ演奏法の継承にも熱意を注ぐアチューカロは、数年前からテキサス州ダラスの南メ ソジスト大学で後進の育成に励んでいる。

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