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32 ショパン: 24 の前奏曲、幻想即興曲、夜想曲、舟歌 貴方はその後、マドリードの音楽院に進み、ホセ・クビレスに師事しています。当時の貴 方にとって、ショパンの音楽はどのような位置づけにあったのでしょうか? クビレス先生には、極めて幅広いレパートリーをご指導いただきました。ちなみに先生 は、 1916 年にファリャの協奏曲《スペインの庭の夜》を初演なさっています。先生に見て いただいたショパンの作品は、幾つかの練習曲と、「葬送」ソナタです。のちにピアニスト になって以来、私はこの「葬送」ソナタと、第 3 番のソナタ——これも私にとってかけがえの ない作品です——を、頻繁に取り上げてきました。クビレス先生は何よりも、音楽と極めて 自然で自発的な関係を築く方でした。 貴方はマドリードの音楽院を卒業後、ヴァルター・ギーゼキング、そしてシエナ・キジ アーナ音楽院のグイド・アゴスティのもとで研鑽を積んでいます。この二人の巨匠から も、ショパン作品の演奏について助言を得たのでしょうか? ギーゼキング先生のもとでは、ラヴェルの《夜のガスパール》を勉強した記憶があります。 ショパンの第 3 番のソナタと、第 1 番の協奏曲も聴いていただきました。アゴスティ先生との レッスンは、素晴らしい思い出です。先生のおかげで、私の目の前には音楽に関する全 く新しい展望が開かれました。そしてとりわけ、ショパンの音楽の偉大さをよりいっそう理 解することができました。
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