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クリスティアン・アルミンクとの共演はいかがでしたか?彼はと りわけ、ソリストたちと呼吸を合わせることに長けた指揮者とし て定評があります。 演奏中は、ただただ幸福でした。私自身、普段から指揮者の意図 に敬意を払うよう心がけています。しかし必要な場合に、自分の解 釈を強く主張することもあります。いずれにせよ、指揮者だけでなく オーケストラとも意思疎通ができる幸せな状況に身を置き、彼らと 何かを与え合うことができると感じた時には、ソリストとして極めて 柔軟に対話にのぞむことができます。今回の共演でも、レコーディ ングが進むにつれてオーケストラとの信頼関係が確立され、互い の演奏をいっそう聴き合えるようになりました。有意義な問題提起 ができ、録音を終えた時には感極まりました。共にブロッホの音楽 を紡いだ時のオーケストラの反応に、心を揺さぶられました。稀な ことに、今回の共同作業は互いへの感謝の念に満ちており、私自 身、オーケストラと一体感を感じることができました。終始、息苦し さや無気力とは無縁の録音セッションでした。そのような雰囲気 は、アルバムに収められた私たちの演奏から滲み出ていると思いま す。
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