LDV38.1
39 セドリック・ペシャ 貴方の演奏家人生において、J.S.バッハの作品はどのような位置づけにあるの でしょうか? 幼い頃から、私のレパートリーの中心にはシューマンとバッハの音楽がありまし た。母から《平均律クラヴィーア曲集》の楽譜を贈られたのは 7歳か8歳の時です。 当時はまだ子どもでしたから、タイトル( Das wohltemperierte Klavier )は“発 音不可能”でしたし、殆どの曲を演奏することができませんでした。それでもこの 曲集は、当時すでに私の音楽世界を成していました。後になって、さまざまな先 生のもとでバッハの音楽を学びましたが、その後は先生たちの解釈とは距離を置 き、自分自身の道を見出そうと努めました。時間をかけて、バッハの鍵盤作品をま んべんなく習得し、チェンバロやクラヴィコードも弾きました。さらに1年間、カンタ ータ全曲――バッハの音楽を深く理解するためには欠かせません――にも向き 合いました。また、アンドレアス・シュタイアー先生と出会い、先生のもとで《ゴルト ベルク変奏曲》を勉強した経験は、私にとって重要な霊感の源です。
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