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41 ラファエル・ジュアン | メス・グラン・テスト国立管弦楽団 | デイヴィッド·レイランド 壮大でリリカルな感情の高揚も、この曲の聞き所ですね... その通りです!チェロが情熱的に、かつ優しくオーケストラの上方で奏でる素晴らしいパッ セージも多々あります。この協奏曲がコントラストに富んでいて、殊のほか感動的であるの は、ドヴォルザークが極めて私的な感情を込めているからでしょう。そこには、彼が若い頃に 恋心を抱いた義姉ヨゼフィーナへのオマージュも含まれます。ヨゼフィーナは、ちょうど彼が この協奏曲の作曲を終えた時期に病気で亡くなりました。当初、終楽章は勇壮なコーダで 締めくくられていましたが、ドヴォルザークは最終的に、亡きヨゼフィーナがこよなく愛した 歌曲の旋律をコーダに加えました。それゆえに、この協奏曲の最後の数小節は不思議なほ どにノスタルジックな雰囲気を湛えているのです。このパッセージは、かつて彼が愛した人の 死を想起させるとともに、私たち自身が抱える悲しみとも共鳴しているような気がします。演 奏するたびに、いつも感極まります。

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