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40 ドヴォルザーク | チェロ協奏曲 ドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調作品104(B.191)を選んだ理由をお聞かせくださ い。 ごく自然な流れで選曲しました。この曲に室内楽的な側面があることは確かです。これまで 私は主に室内楽の分野で活動してきたので、協奏曲においても室内楽と同様の感覚を得た いとの思いが募りました。そして私には、この協奏曲の軸をなしているのは“交流/コミュニ ケーション”の概念であると思えたのです。ドヴォルザークは、豊かで多彩な管弦楽法を通じ て——とりわけ管楽器を大いに活用することによって——、伴奏の域をはるかに超える役 割をオーケストラに託しています。各楽器セクションがさまざまに掛け合って対話を繰り広 げる終楽章は、さながら協奏交響曲のようです。このような瞬間を実の両親と分かち合えた ことにも、計り知れない喜びを感じました。

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