38 ドヴォルザーク | チェロ協奏曲 それほど親しい演奏家たちとソリストとして共演するさいに、怖気づくことはないのです か? 確かに、オーケストラと対等な関係を築こうとし、彼らが自分に下す評価とも向き合わなけ ればならない状況では、不安も生まれます。だからこそ、レコーディング前に心の準備をしま した。しかし、じっさいの現場の雰囲気はただただ好意的でした! しかも私は、かねてから デイヴィッド·レイランド氏と良好な関係を育んできました。彼は、かれこれ4年近く、私の芸 術的模索に寄り添ってきてくれた恩人なのです。私は2021年10月に代役でメス管の一員と して演奏した直後に、あるオーディションを受けるために彼の楽屋を訪ねました。このときの 出会い——とても和やかな雰囲気でした——をきっかけに、私はシテ·ミュジカル=メスのア ルセナル·ホールのレジデント·アーティストとして2年を過ごすことになり、今回の録音プロジ ェクトも生まれました。彼が私に寄せてくれた全幅の信頼は、私を大いに奮起させました。レ イランド氏との数度にわたる打ち合わせ中に彼の傑出した聴力に助けられ、オーケストラと の最初のリハーサルに自信を持って臨むことができました。楽団員たちは、この録音プロジェ クトに並々ならぬ情熱を注ぎ、そのポジティヴなエネルギーが私と楽団の密な音楽的交流 を促しました。
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