チェコ出身の作曲家アントニン·ドヴォルザークがチェ ロ協奏曲の作曲に着手した地は、アメリカだった。彼は 長期にわたるアメリカ滞在中に、いかなる先入観にもと らわれることなく、ネイティヴ·アメリカン(先住民族)た ちやアフリカ系アメリカ人たちの文化に強い関心を寄 せた。いっぽう、常設のピアノ三重奏団のメンバーとし て、またアコーディオンとのデュオを通じて、クラシック、 ジャズ、即興、ワールド·ミュージックの世界を自在に行 き来するラファエル·ジュアンは、ドヴォルザークの開か れた精神に深く感銘を受けてきた。本盤でジュアンは、 初めてオーケストラとの録音にのぞんだ。敬愛する奏者 たちとの“分かち合い”と“共同作業”の冒険に繰り出す にあたり、ジュアンが意を決して挑んだのはドヴォルザ ークの大作である。
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