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2010年からずっと、私たちはフランス歌曲と共に歩んできた。今回は、 バーバーがライナー·マリア·リルケのフランス語の詩に付曲した知られ ざる歌曲集《はかない歌》に加え、ショーソン、アーン、ベイツ、ラヴェル、 プーランクによる、鳥(ハチドリ、ナイチンゲール、鳩、カモメなど)にまつ わる珠玉の歌曲も取り上げる。さらにプーランクの《モンテカルロの女》 は、ナタリーの十八番の一つだ——ジャン·コクトーの秀逸で悲痛な詞 は、“女”の自死で締めくくられている。しかしながら、私たちの忠実な聴 衆の方々には、どうかご安心いただきたい。ナタリー·デセイとフィリップ· カサールは、二人の活動を、そのような悲劇で締めくくることはしない。 むしろ私たちは、どこまでも静かな“最後の和音”に包まれて、このデュオ にシンプルに別れを告げるつもりでいる。揺るがぬ友情という最も美し い模様を織りなすことになった、15年にわたる協働と挑戦。二人で分か ち合った喜びと迷い、そして数々の演奏会と旅。その幕は、ピアニッシモ とアモローソ〔愛情を込めて〕を伴うハ長調の和音と共に閉じられる。

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