LDV134

エルメス四重奏団 49 この曲を締めくくるワルツは、退廃的とすら言えるような色合いを帯びています。ラヴェルの 《ラ·ヴァルス》ほどの絶望は感じさせませんが、それでも、憂いなき時代の終焉を象徴する 《ラ·ヴァルス》を彷彿させます。 終楽章は、熱気が渦巻くワルツです——ラヴェルの《ラ·ヴァルス》にならって、あらゆる制御 を解き放ち、ひたすら前へ突き進んでいるような印象を与えます。コルンゴルトはここで、す べてがより軽やかだった世界へのノスタルジーを表現しているのです。1933年に、ナチズム の台頭に脅威を感じた彼が亡命の道を選ぼうとしていたことを思い起こしましょう。とはい え彼のワルツは信じられないほどのエネルギーを放ちます。楽譜には、ほぼ演奏不可能なほ どに極端な高速のテンポが記されています。まるでヨーロッパがぐらつきつつあることを忘れ ようとするかのように、ペアを組んだ踊り手たちが一心不乱に急旋回する様子が目に浮か びます。思えばショスタコーヴィチも、このような歯止めのきかないテンポを課すことで、悲 劇を光輝で覆い隠しました。ただし私たちは、この楽章のドラマティックな深みを浮き彫りに するために、高速なテンポをやや和らげています。

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