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44 ウィーンの響き K.421に取り組む過程で、どのようにサウンドを練り上げていきましたか? ハイドンに捧げられた六つの弦楽四重奏曲は、ことのほか精巧な作品であり、その多種多 様なコントラストを——誇張の危険を冒してでも——際立たせる必要があります。それぞれ の楽想、さらにそれぞれのフレーズがそなえている性格を、架空の人物と結びつけることさえ できます。この曲がオペラ的な側面をもつことは誰の耳にも明らかで、私たちのサウンド作り も、的確なアーティキュレーションと声楽性に焦点を絞ることになりました。K.421の演奏 には、歌手となり、舞台演出家となるすべが求められます! これは、私たちがこれまでの歩 みのなかでさまざまな先生たちから教え込まれてきた考え方です。彼らは、器楽的な演奏に 終始することなく、音それぞれの響かせ方にこだわり、個性を際立たせるよう私たちの背中 を押してくれました。「すべてが声楽的でなければならない」——私たちの偉大なメンターの 一人であるアルフレート·ブレンデル先生は、そう私たちに念押ししました。いつも私たちが心 に留めてきたそのような助言は、私たちが活動初期から探求してきたK.421の演奏を練り 上げていくうえで、大きな助けとなりました。

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