他ジャンルの音楽を聞く機会は、おそらく万人を喜ばせはしない。 だが、それを楽しみとする人びともいる。周知のとおり、ドヴォルザ ークは後者のグループに属する。じっさい彼は、1899年12月にブ ダペストで綴った手紙のなかで、同地のロマ(ジプシー)音楽家たち について熱っぽく綴っている: 「そして彼らの素晴らしい演奏ときたら! 私は連日、 ホテル・フンガリアで彼らの演奏を聞き、心を奪われてい る。彼らが《ラコッツィ行進曲》を奏でたとき、我々みなが 受けた電流が走るような衝撃は、言葉では説明できな い。自分の耳で体験しなくては!」
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