LDV101
アントニン・ドヴォルザークは、1861年に弦楽五重奏曲第 1番を作曲してから、1895年に最後の2つの弦楽四重奏曲 を書き終えるまでの間に、ほぼ全ての室内楽の形式を探求 した。彼は、ソナタから六重奏曲まで、室内楽の分野だけで 14曲もの(完成した)弦楽四重奏曲、5つの三重奏曲、3つ のピアノ四重奏曲(《バガテル》を含む)、5つの五重奏曲、弦 楽六重奏曲を1曲、そして数曲のヴァイオリンとピアノのた めの作品を手がけた。ヴィオラ奏者であった若きドヴォルザ ークは、スメタナとの交流を通してチェコの国民音楽の存 在を知ることになる。故郷ボヘミアの民謡に熱中し、無尽蔵 に独創的な旋律を生み出す才能に恵まれたドヴォルザーク は、幾つかの創作期を経ながら徐々に古典の枠組みから脱 していったが、晩年間近の創作期は、アメリカ滞在から深い 影響を受けている。アメリカの善良で楽観的な国民性は、ド ヴォルザークの音楽に独特な魅力と親しみやすさをもたら し、彼の人気を後押しして、より暗く苦悩に満ちた作風の他 のロマン派の大作曲家たちと彼の違いを際立たせることに なった。
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