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43 フィリップ・ビアンコーニ フィリップ・ビアンコーニ 1980年代にヴァン・クライバーン国際コンクールで入賞以来、世界を舞台に活躍を続ける ビアンコーニは、メディアの喧噪から遠く離れたところで音楽の旅を続け、自身の道を切り 開いてきた。 ニース音楽院でシモーヌ・デルベール=フェヴリエに師事。パリ音楽院を経ずに国際コンク ールに出場し入賞を果たした稀有なフランスのピアニストである。ベオグラードの若い音楽 家のための国際コンクール、クリーヴランドのロベール・カサドシュ国際コンクールに入賞。 さらに、ヴァン・クライバーン国際コンクールでの入賞はアメリカでの華々しい成功を導くこと になった。 1987 年、ニューヨークのカーネギー・ホールでリサイタルを開催。その後、クリー ヴランド、シカゴ、ロサンゼルス、ピッツバーグ、モントリオールなどで、北アメリカの一流オ ーケストラと共演。ベルリン、シドニー、北京、ロンドン、サンフランシスコ、パリをはじめ、世 界各地の聴衆を、詩情あふれる演奏と美しい音色で魅了している。 ラ・ドルチェ・ヴォルタからリリースした『ドビュッシー:プレリュード集』は、フランス国内外で 多数の賞に輝き、フランス版のグラミー賞にあたるヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークの最優秀 録音部門にもノミネートされるなど、 2012 年の録音界で注目を集めた。 ビアンコーニは2013年から2017年まで、フォンテーヌブロー・アメリカ音楽院(音楽と建築の 両分野で、フランスの文化を外国人学生に広めることを目的とする教育機関)の院長を任 された。同機関は、アーロン・コープランド、エリオット・カーター、ヴァージル・トムソン、アス トル・ピアソラ、フィリップ・グラス、クインシー・ジョーンズらが学んだ名門で、過去にはナデ ィア・ブーランジェやフィリップ・アントルモンが院長を務めたことで知られる。 2018年10月から、アルフレッド・コルトーが創設したパリ・エコール・ノルマル音楽院で後進 の育成に励んでいる。

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