LDV201
アンドレ・イゾワール 27 トッカータとフーガ ヘ長調 BWV540 438 小節にわたる「トッカータ」は、バッハのもっとも規模の大きい作品のひとつに 数えられる。しかし、印象的であるのはその長さだけではない――このトッカータ は、たったひとつの主題のアイデアをもとに構築されており、不変のリズムによっ て進展していくのだ。壮麗に流れる 16 分音符の規則正しい動きが、終始、活気を もたらす原動力となっている。壮大なトッカータののち、よりほの暗い、性格の異 なる 4 声の「フーガ」が始まる。フーガは 3 部構成の傑作である。重々しく半音階的 な第1主題によるフーガと、第2主題による新たなフーガ、そして 2 つの主題が同 時に用いられる第 3 のフーガが展開されていく。 2 つの主題は、強烈な性格が与 えられていることによって、結合・並置される場面においても容易に識別できる。
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