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126 ヨハン・セバスティアン・バッハ _ オルガン作品集 本格的に音楽を学ぶにあたり、どなたに教えを請うたのですか? 最初は独学で、それが 1 ・ 2 年ほど続きました。両親がその後の最良の道を調べてくれ ていた折に、オルガン奏者ノエル・ピエロンがサン=ディジエを訪れまして、パリ国立 音楽院は避けるのが賢明だと助言されました――彼女によれば、同院では私が「落第 するのが目に見えている」とのことでした。彼女が強く薦めてくれたのが、素晴らしい教 授陣を誇るセザール・フランク音楽学校でした。そうして私は、私立で授業料の高いセ ザール・フランク音楽学校に入学したのです。鉄道員であった父には、金銭面で多大 な苦労をかけたと思います。その後、必然的にパリ国立音楽院に進みまして、ロラン ド・ファルシネリ女史に師事しました。音楽院卒業後に、国際コンクールに立て続けに 出場しました。 セザール・フランク音楽学校への入学直後に、校長のギー・ド・リオンクール先生を訪 ねるように言われました。私の演奏を聴いた先生は、「悪くはないですが、正統派では ありませんね。中間クラスから始めましょう」と仰いました。そして中間クラスの教授に演 奏を聴いてもらったところ、こう言われたのです。「何ですか、その演奏は・・・一体どこ で、誰に習ったのですか ? 」「ええと・・・独学です」「そんなことだろうと思いましたよ!入 門クラスから始めなさい。」そんなわけで私は、入門クラスに格下げとなりました。しか し私は、損をしたとは考えていません。偉大な才能に恵まれた素晴らしい師、ジュヌヴ ィエーヴ・ド・ラ・サール先生に出会えたのですから。当時の私がまさに必要としていた ことを教えていただきました。中間クラスで勉強していたら授けてもらえなかったであろ う基礎的な技術を、先生から教えていただきました。先生には心から感謝しています。
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